筆のはじまりは古く、今より2300年ほど昔、秦の時代の中国にはじまったと伝えられております。日本においては、中国文化の伝来と共に飛鳥時代の初期から中国製の筆が輸入されるようになりました。
その後、嵯峨天皇の時代に遣唐使として中国に渡った弘法大師(空海)が毛筆の製造を修めて帰り、大和の国の住人、坂名井清川と云う人に伝授したのが、奈良筆の、そして、日本の筆づくりの最初と云われています。
奈良筆は、その歴史と伝統につちかわれた匠の技と心を継承し、高い品質を守りぬくことで、書家や専門家を中心に今も高い評価をうけています。
あかしやは、古くより大和の国において南都七大寺の筆司として筆づくりに従事して参りました。江戸中期に初代の当主が筆問屋としてあかしやの看板をあげ、現在まで300年以上に亘り、筆の持つ文化を継承する筆専門メーカーです。
あかしや本社 伝統工芸士
「あかしや」で保存されている大仏開眼筆。(長さ約67cm)。天平勝宝四年(七五二年)の大仏開眼の時、作られた正倉院御物を複製したもので大仏殿昭和大修理の時にもつかわれた。雀頭型と言われる独特の短い穂先が、天平筆といわれる古代筆の特徴。